ポートフォリオ作りの説明書

ポートフォリオ作りをはじめよう!

1.  ポートフォリオって何だろう?

 ポートフォリオとは,自分が努力したり,試行錯誤したり,問題を克服したりした記録を保存しておき,時々見直すと,自分の得意なところや足りない部分を教えてくれるアドバイザーのような役割を果たしてくれるファイルのことです.
 ポートフォリオを使った評価は、イギリスやアメリカで始まった評価法で、自分が成長するために,自分の学習を,自分で評価していきます。しかし,独りよがりな評価では自己満足で終わってしまいます.そこで他者(先生や友達など)からの評価も重要になってきます.また,友達のポートフォリオを見せてもらうことは,自分の成長にもつながります.

2.  ポートフォリオの作り方

○はじめに用意するもの
 ファイル・付箋(ポストイット)

○手順
@学習物目録(表1)を,ファイルの内側に添付する.目録は教師が用意しても良いし,必要項目を示して子どもが工夫して作ってもよい.評価の観点も決める.
A学習物(レポート・プリント・計画表など)は,すべて挟み込む.授業のノートや演習問題用のノートは,ファイルとともに保管しておく.わからなかったところは弱点分析表(表2)に記録しておく.
B学習物が,いくつかできたら友達に見てもらう.見せてもらった人は,感想や励みになる言葉や直すと良い点などのコメントを付箋に書き,貼り付ける.教師からのコメントも加えても良い.
Cポートフォリオ・カンファレンスを行う.友達からや教師からのコメントをもとに,1人ずつ自分のポートフォリオをもとに,自分が成長できた点やがんばったこと,この後探究したいことや補いたいことを発表する.これを聞いて,さらに付け加えると良いことや良くできている点など意見を出し合い,検討し合う(表3).
Dポートフォリオ・カウンセリングを行う.
カンファレンスの結果,友達からの評価と自分の評価のずれ(自分では高く評価していた点が,友達からあまり評価されなかったなど)や,まだ克服できない弱点をどうしたらよいかなど,教師と1対1で話し合い,評価を行う.カンファレンス記録用紙には日付と発言者と発言内容を分類するためのマークを記入しておく(表4).

 ポートフォリオはいつでも見返して復習できるように保管しておいてください。自分で探究した記録や解答に至るプロセスを残しておくことは、分かるまでの過程で気をつけようと思ったことや教訓としたことやポイントと思ったことなどが、「新しい分からないこと」に出会ったときの参考になるからです。キーワードは目立つようにペンで書いたり、付箋に書いて貼っておくと良いでしょう。そして、自分で勉強するときに、役立てましょう。

注)CDは,大変時間がかかるため,Cは学年末に1度行う程度でも良く,Dは,全員に同時に行う必要はなく,学習の仕方で困っている生徒や,相談したい生徒,教師が必要と思った生徒から適宜行えばよい.カウンセリングの中で評定型評価も行う.






3.ポートフォリオを評価するルーブリックとは
 
ポートフォリオの中の学習物を複合的に多元的に評価するために用いられるのがルーブリックである。ルーブリックとは評価きじゅん(規準+基準)のことである。よくマトリックスの形で提示されることが多い。表1に示すように,左側の縦の欄が評価規準で,上側の横の欄が評価基準である。このようなルーブリックによって評価を行うことを生徒にも明示した上で,授業&学習を行い,ルーブリックに基づいて生徒・教師とも評価を行う。規準と基準の定義は,新明解国語辞典(三省堂,1997)によれば,以下のように示されている。
T 【基準】1 何かを比べる時に よりどころになる、一定のもの。
 2 最低それだけは満たされていなければならないとされるきまり。
U 【規準】それによって行動することが社会的に求められるよりどころ。
 つまり,規準は評価のよりどころとなる項目で,基準はその項目の達成レベルと考えるとわかりやすいであろう。
 ポートフォリオとルーブリックの関係を示したのが図1である。学習が必要と判断する情報を入手し新しい知の構築をおこなう。その成果である学習物を活動中にポートフォリオに保管しそれをルーブリックによって評価を行うのである。そしてカンファレンスカウンセリングを通し完成度が高くなった学習物を永久保存版のポートフォリオに保管する。どちらのポートフォリオも教師やクラスの仲間や親などが閲覧しコメントを生徒に返すことによりフィードバックが促される。
 ポートフォリオを用いた学習でおこなわれる課題は複合的な場合が多く,どんな場合にも適用可能な万能型ルーブリックは存在しない。各ルーブリックにはそれぞれの意図があり特徴がある。

図1 ポートフォリオを評価するルーブリック


<参考>
ポートフォリオ評価のためのルーブリックについてや、ポートフォリオによる効果(思考力、アナロジーの育成に効果があるなど)に関しては、下記の書籍を参考ください。
上記の「ポートフォリオ作りをはじめよう!」の内容に関する著作権は、下記書籍に帰属します。

『ポートフォリオで情報科をつくる〜新しい授業実践と評価の方法』加納寛子編著,北大路書房 (2002).